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瑞牆山十一面岩正面壁ベルジュエール


フリークライミング 
瑞牆山十一面岩正面壁ベルジュエール

メンバー 青木睦佳(農4) 河合晴美(農2)/田丸佳寛(農4) 中戸川好康 (理2) 朝日良光(理1)
日時 2004年6月19日(土)
行動概要
駐車場7:15発〜8:50取付、9:15登攀開始〜12:15白熊のコル12: 55〜16:10登攀終了〜17:40取付〜18:40駐車場

 初めての瑞牆。前夜発にし、朝早く出発することにする。不安だったアプローチは 出だしで少し迷ったが新アプローチの方で行ったら、道は踏み跡が明瞭でテープも豊 富で迷うところはなかった。末端壁は長くきれいなクラックがたくさん入っていてと ても楽しそうだ。ここのルートに気軽に取り付けるようになりたいものだ。末端壁か らの登りが急で歩きにくく疲れた。結構遅くなってしまったので急いで取り付く。僕 とはるちゃんのパーティーが先行し、春一番を登る予定の田丸さん、好康、アーサー の三人パーティーがそれに続くことにする。


1ピッチ目(5.11b)  リングボルトのA1と聞いていたが、ペツルの新品ハンガーが打ってある。後で聞 いたのだが、南裏さんが打ち変えたそうな。おかげでA1出来なくなっている。もと もとアブミは持っていってなかったが、ルートが違うのではと少し不安に思ってし まった。A0使いまくりで抜ける。ヌンチャク掴んでも次のボルトに届かない所があ るので、後ろの好康は結局抜けられず、リードを田丸さんに代わってもらったそう な。終了点もペツルが二本打ってある。

2ピッチ目(5.9)  このピッチの1本目もペツルだ。しかしハング下を左にトラバースしていくのが怖 かった。頼りなさそうに下向きに飛び出たハーケンが打ってある。A0でも抜けるん じゃないかと怖かったが、思わず掴んでしまった。ハングを回り込めば後は簡単なス ラブで、立ち木でピッチを切る。

3ピッチ目(W+)  出だし少しのスラブを登り、木の生えた凹角を登る。その後泥の詰まったクラック になる。W+だと思うと辛い。特に上部は上手く足を開いたりしないと必死な感じに なる。というかなった。フォローのはるちゃんはすいすい登ってきた。次のピッチの クラックは短いのでロープの長さだけみれば登れるのだが、ここまででかなりロープ が擦れて重くなっているのでピッチを切る。ここのビレイ点がこのルートの中では一 番い心地が悪い。

4ピッチ目(5.10a)  短いが、とてもきれいなクラック。ハンドからだんだん狭くなって、最後はフィン ガーくらいになる。上のリップのガバを取る直前が核心だと思う。プロテクションは 取りやすい。残置のカムもある。ここは他の10aのピッチと比べるとかなり簡単に 感じた。抜けると白熊のコル。歩いてここまで登ってきて、ここからベルジュエール を登り始めているパーティーがいた。

5ピッチ目(5.10a)  白熊のコルで一旦ロープを解き大休止。のんびりご飯を食べながら先行パーティー の登りを眺めたりする。先行パーティーがキャメロットの四番を残置していったの で、ここにこれから先いらなそうなカム、それに水と食料、カッパなどを置いていく ことにする。結局40分程休んでしまった。出だしはオフウィズスで、その後大フ レークのレイバックとなる。レイバック体制に入るのが僕には難しく、A0でレイ バック体制に入る。後はガバなのでグイグイ登り立ち木でビレイ。非常に絵になる かっこ良いピッチ。

6ピッチ目(X)  まずはピナクルを越えて左にトラバース。最初は簡単なチムニーだが上に行くに 従って狭くなっていき非常に苦しい。プロテクションは途中にあるリングボルト1本 のみ。ズリズリと少しずつ登る。チムニーは慣れていないので難しい。最後は少しか ぶり気味で、抜け口にハンドジャムがしっかり決まったときは本当に嬉しかった。苦 しさではこのピッチが一番だった。途中ちょっと帰りたくなったもん。

7ピッチ目(5.10a)  6ピッチ目の終了点から少し樹林帯を歩き7ピッチ目の取り付きへ。出だしチム ニーを登り短いスラブを登ると終了点があったが、あまりにピッチが短いのでその上 のクラックも登る。フレアーした下向きの左上クラックで難しい。甘いハンドジャム で足は右足がフットジャム、左足はスメア。かなり奮闘したが、あと一手でガバとい うところで落ちてしまった。あと少しだったので悔しい。このピッチはとてもおもし ろいと思う。

8ピッチ目(T〜U)  このピッチははるちゃんリード。といっても本当に簡単なピッチなのでコンテでも 良かった。

9ピッチ目(5.9)  短いが傾斜の強いクラック。ほとんどボルダーくらいの長さだが意外と悪くて面白 かった。頂上に登るスラブも短いが結構怖い。不覚にもここでA0してしまった。頂 上ではるちゃんを向かえ、ようやく登攀終了。心配した天気も逆に良くなっていき、 頂上はとても気持ちが良かった。


 下降は頂上から懸垂したがロープ回収の時にスタックしてしまい登り返すことに なった。一段下がった所のテラスでピッチを切ったほうが良かった。この懸垂ではる ちゃんは体が振られ頭を壁に強打した。とても痛そうだったが切れたりしていなくて 良かった。でっかいたんこぶが出来ていた。ここから少し歩いて藪の中にもう一度懸 垂。後はフィックスに導かれて無事白熊のコルに戻り、荷物を回収して駐車場に戻っ た。


総括  自分の中ではいつか登ってみたい憧れのルートのひとつだったのでとても充実した し楽しかったし怖かった。オールリードさせてもらい技術面よりも精神面で色々試さ れた場面が多かった。瑞牆に来ることが決まってから多少のプレッシャーを感じてい たが、登る数日前からは結構楽勝だったりして、なあんて内心思っていたが見事に撃 退された感じだ。A0使いまくりで、なんとか頂上まで抜けたという感じだった。 もっとスマートに抜けたいルートなので、一回り成長してもう一度挑戦したい。しか し、この時期に今の自分の実力で挑戦できたことはとても良い事だったと思う。実力 的には一番良い時期だったんじゃないだろうか。いつものように中岡さんがいたら、 今回のような精神的プレッシャーを感じることはなかっただろうし、難しいと感じた らリードを変わってもらってしまったかもしれない。自分がやるしかない状況である 程度はやれたことに、自分の成長を感じることも出来た。僕の今までやってきたクラ イミングの中では忘れられない印象深いルートになるだろうと思う。半分無理やり連 れて行ってしまった様になってしまったが、はるちゃんは苦労しながらも持ち前の粘 り強さでじりじりと登って来てくれた。人工使いまくりで全然駄目でしたみたいなこ とを言っていたが、これだけ登れればアルパインは大丈夫だろう。頼もしくなったも んだ。アルパインはアプローチやら天候判断やらロープワークなど、登る技術以外の 要素の方が大きいような気もするが、それは山に行きまくっていれば解消されること なのでがんがん山に行きましょう。そういった意味でも瑞牆は僕たちを鍛えてくれる フィールドだと思う。色々と厳しい岩場でもあるが、また行きましょう。  ちなみに装備はキャメロット1,2,3,4が一つづつ。フレンズ1〜3番くらい が一つづつあれば良いと思う。ナッツは一回使っただけだった。


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